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【初心者向け】広角レンズによる歪みを抑える撮影テクニック!

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こんにちわ!大阪でクリエイターをしています、藤原ななえ@fujiwara_nanae)です!

この記事は、カメラがご趣味で中国に移住されていた経験から中国語も堪能なYさんにご提供いただいた原稿を元に作成しています。要点をしぼって簡潔にまとめていますので、さらっと読んでいただけると思います!広角レンズだけでなく、GoProの魚眼モードでの撮影などにぜひ取り入れてみてくださいね。

今回ご紹介するのは、広角レンズの歪みを抑える撮影テクニックについてです。撮影時に気をつけるべきポイントの他にも歪みの原因や補正についても紹介していますので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。この記事の目次はこちら!

はじめに

プロのカメラマンだけでなくカメラ愛好者の中でもレンズにこだわる人は多いですが、いろいろある中でも「広角レンズ」を使用して撮影することも結構ありますよね。その名の通り、広い範囲を撮影できる広角レンズですが、歪みが出てしまい綺麗に撮影できないという悩みをお持ちの方もはいるはず。この歪みを抑えて撮影するにはちょっとしたコツが必要ですので、この記事ではそのコツや撮影テクニックについてご紹介しますね。

広角レンズで撮影した映像が歪む原因

広角レンズは「広い範囲を撮影できる」だけでなく「遠近感を強調できる」という点もメリットといえると思います。ただ冒頭でも触れたように「歪みやすい」というデメリットがあるのも事実です。では、まずは「なぜ広角レンズで撮影した写真や映像は歪んでしまうのか?」という原因について簡単に知っておきましょう。歪みの原因は、主に次の2つです。

歪曲収差による歪み

広角レンズは広い範囲を撮影できる分、その構造上「歪曲(わいきょく)」が生じてしまいます。そして「収差(しゅうさ)」とは、レンズで発生するわずかな結像のズレのことです。一般に収差が少ないレンズが「いいレンズ」と言われますが少なからず歪みは出てしまうので、花火や建造物など形が重要なものを撮影する場合には特に、大きな歪みが発生すると見る側に違和感を与えてしまうので注意が必要です。

歪曲収差(ディストーション)には、広角レンズで撮影した場合の膨らんで歪む「樽型収差」と、望遠レンズで撮影した場合の凹んで歪む「糸引き型収差」があります。

電子シャッターによる歪み

シャッターには「機械式シャッター」と「電子シャッター」の2種類があります。電子シャッターは光の情報を複数のブロック単位で読んでいくときに、被写体の速度がイメージセンサーの読込み速度を超えることがあり、それが直接的に歪みの原因になります。例えば電車を撮影する場合、電車の速度が電子シャッターの読込み速度を超えると像が歪みます。

広角レンズは電子シャッターのカメラで使用されることが多いため、一定速度を超える速さで動いている物体を撮影すると、像(物のかたち)が大きく歪んでしまうことがあります。

できるだけ歪みなく撮影するコツ

続いて、できるだけ映像や写真の歪みを抑える広角レンズを使用する際の撮影テクニックについてご紹介します。これまで自己流の撮影で上手くいかなかったという方は、これから紹介する撮影方法をいくつか取り入れていただければ、広角レンズによる歪みを大幅に抑えることができると思いますので、以下の点を気をつけながら撮影に挑んでみてくださいね。

真正面から撮影する

まず一つは、被写体に対して真正面から撮影することです。角度をつけて撮影すると左右に誤差が生じ、歪みの原因になってしまいます。もう一つは、被写体をカメラの真ん中に配置すること。撮影位置は真正面でも枠の中で被写体が左右どちらかに寄っていると、その方向に映像や写真が歪んでしまいます。被写体の真正面に立って、被写体がカメラのど真ん中にいる状態で撮影しましょう。

遠近法を利用して撮影する

遠近法を利用することで歪みを抑えるというテクニックです。広角レンズで撮影した写真は中央に映るものが大きくなるので、複数人で撮影する場合は手前と奥に被写体を配置して遠近感を持たせると、あまり歪みを感じずに撮影することができます。もちろんカメラに近すぎるのは良くないですが、手前の被写体に少し近づいて撮影するのがコツです。

一点透視の消失点を利用して撮影する

これは前の2つにも通ずるテクニックです。被写体の正面に立つと奥行の消失点は1つになり、これを「一点透視」といいます。この構図は、横の線は水平に縦の線は垂直になるのが特徴です。長い直線が続く橋や地下道などがこの方法で撮影されることが多いですが、消失点を利用することで歪みを抑えつつ、遠近感が強調された奥行きのある撮影をすることが可能になります。ただし簡単ではないので、上手く撮影するには多少練習が必要です。

「一点透視」だけでなく「二点透視」や「三点透視」などの遠近法、また「消失点」についてはこちらの記事で詳しく解説していますので、詳しく勉強したいという方はぜひ!

ダイナミックなシーンを撮影する

広角レンズは元々広い範囲を写真や映像の中に収めることができるので、ダイナミックなシーンを撮影すればそれだけでレンズの利点が生かされた迫力のある写真や映像になります。夜の高速道路を高いところから見下ろせるポイントなんかで撮影するのもオススメ。首都圏など都市部の高速道路は無数に枝分かれしており、広角レンズで撮影することによってカッコいい仕上がりになりますよ。

真上から撮影する

広角レンズの歪みを抑えるテクニックの中でも、この撮影方法はとても簡単。真上から撮影するだけで被写体を誇張することができ、歪みも目立たなくなります。ポートレート撮影をする場合は脚立などを用意して、モデルが空を見上げる表情の真上でカメラを構えると、美しく撮影できるのでぜひ試してみてください。

ローアングルで撮影する

ローアングルは躍動感を演出するためによく利用されますが、広角レンズで撮影すれば躍動感に遠近感がプラスされるので、より迫力のある映像や写真に仕上がります。ローアングルで被写体に近づくことで「遠近法を利用するテクニック」同様に歪みを抑えることができますが、少しテクニックが必要です。

こちらの記事で、アングルやポジションについてもう少し詳しく紹介していますので、ぜひ併せて読んでみてください。

コンパクトレンズで撮影する

どのテクニックを採用しても「どうしても歪みが出てしまう」と感じる場合は、コンパクトレンズの購入を検討しましょう。コンパクトレンズには歪曲収差(ディストレーション)が極めて少ない非球面レンズが使用されているので、樽型収差を極力抑えて撮影することができます。高性能だけあって安価なものではありませんが、広角レンズのデメリットを補うツールとしてかなり有用です。

歪んでしまった映像を補正するには?

ここまで広角レンズの歪みを抑える撮影方法としていろいろなテクニックを紹介してきましたが、広角レンズを使用している以上、少なからず歪みは出てしまうものです。でも大丈夫!歪みが出てしまった映像や写真は、専用アプリケーションを利用すれば後から編集で補正することができるので、最後に簡単に紹介して終わりたいと思います。

歪みを補正できる各種アプリケーション

映像の歪みを補正できる動画編集アプリは「Premiere Pro」以外にもたくさんあります。また、インテルが開発公開している画像や動画用のオープンソースライブラリ「OpenCv」を利用して補正することもできるので、広角レンズで撮影した映像の歪みを補正したい場合はこれらのサービスの利用を考えてみてください。

  1. Adobe Premiere Pro(プレミアプロ)
  2. Final Cut(ファイナルカット)
  3. DaVinci Resolve(ダビンチ)
  4. Filmora(フィモ―ラ)
  5. OpenCv(オープンシーブイ) など

また写真の歪みを補正できる代表的なアプリは次の通りです。

  1. Adobe Photoshop(フォトショップ)
  2. Adobe Photoshop Lightroom(ライトルーム)
  3. Raw Therapee(ロウセラピー) など

この他にも補正編集を行えるアプリはありますが、こだわりがなく映像写真ともにどのアプリを使用するか決めかねているのであれば、これらは最も利用されている高機能なアプリで無料体験版などもあるので、歪み補正を機に使ってみるのもアリだと思いますよ。

まとめ

広角レンズの歪みを抑えるには撮影時のテクニックが重要です。広角レンズを使用すればダイナミックで魅力的な撮影ができますが、大きな歪みは見る側に違和感を与えてしまう原因になりますので、適切な撮影方法を知ったうえで撮影を行いましょう。ただ歪みが生じてしまっても後から補正することもできるので、そこまで神経質になる必要もありません。何よりも楽しむことが一番ですので、今回紹介したテクニックを取り入れながら少しずつスキルアップしていってくださいね!

POINT

歪み補正はプロも行う重要なテクニックです。撮影も補正も慣れるまでに時間がかかる可能性はありますが、広角レンズを使いこなせるようになれば制作の幅が広がるので、多少時間をかけても習得する価値がありますよ!

いかがだったでしょうか?この記事を気に入っていただけたら、コメントやシェアをしていただけるととても励みになります!これからも動画編集が楽しくなるような情報をどんどん発信していきますので、たまにサイトをチェックしてみてくださいませ。では、またべつの記事でお会いしましょう!

提供: Yさん 編集: 藤原ななえ
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