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知っておくと便利。映像制作に関わる「ファイル形式」について徹底解説!

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こんにちわ!大阪でクリエイターをしています、藤原ななえ@fujiwara_nanae)です!

この記事の内容は、長らくIT関連のお仕事をされていたご経験からパソコン知識が豊富で、現在は北海道にご在住の「ゆうたろうさん」にご提供いただいた原稿を元に作成しています。この記事にたどり着いた皆さんの疑問をすぐに解決できるよう、できるだけ分かりやすく解説していきますねー!

今回ご紹介するのは、映像制作に関わるファイル形式や用語についてです。初心者の方が混乱してしまいがちな類似する用語について、できるだけ嚙み砕いて解説してきたいと思いますので、ぜひじっくり読んでみてくださいね。この記事の目次はこちら!

はじめに

パソコンやスマホを使っているときに「なぜか動画が再生されないんだが?」という経験したことのある方も多いはず。「今まで使えていたのに・・・」または「別のパソコンでは再生できるのに・・・」などそれぞれ状況が異なるにせよ、そもそものデータが破損している場合を除けば、動画を再生できない原因に「ファイル形式」が関わっていることは確かです。映像制作にも大きく関わるこのファイル形式について理解を深めれば、ちょっとしたトラブルにもすぐに対応できるはずですので、今回わかりやく解説していきますね!

そもそも「ファイル形式」って何?

ファイル形式とは、パソコンやスマートフォンなどのデバイスとアプリケーション(≒ソフトウェア)をつないで動かすための規格のことです。そしてファイル形式は動画だけでなく、書類作成のための「Excel」や「Word」、またインターネットを見るための「Internet Explorer」や「Google Chrome」などにも割り当てられ、デバイスで動くすべてのアプリケーションに関わるものです。

つまり形式がないファイルは一切機能しないことはもちろん、映像制作においてエンコード(書き出し)する動画のファイル形式が、再生するデバイスやアプリケーション側で対応していなければ当然再生することはできませんので、大前提として覚えておきましょう!

動画ファイルに割り当てられた形式が、動画を再生しようとするデバイスやアプリに互換性(=お互いに認識すること)がなければ、うまく動かなかったり、エラーが出るという仕組みです。

併せて覚えておきたい「拡張子」とは?

拡張子とは、ファイル形式を区別するために表示されるものです。どのようなデータなのかを区別するために、ファイル名の後ろに「.(ドット) + 英数字」で表され、同時にパソコンやスマートフォンにも認識させます。例えば動画ファイルによく使用される、MP4形式やQuickTime形式の拡張子は「.mp4」と「.mov」です。

ファイル形式(拡張子)は、パソコンの場合はWindowsやMac、スマートフォンの場合はiOSやAndroidなど、デバイスを動かすためのOS(オペレーティングシステム)によって互換性が異なり、それぞれのデバイスで動かすアプリケーションも無数に存在するため、すべての環境で円滑に機能させるために数多存在します。

POINT

拡張子の数は2500以上ともいわれていますが、新たなアプリやプログラミング言語が出てくるたびに増え続けており、すべてを覚えることは難しいですので、日頃から映像制作で使う範囲の拡張子だけ抑えておけばオッケー!

動画の編集中によく出てくる用語について

映像制作に取り掛かる中で知らない用語がでてくれば、当然ググるなどして自分で調べる必要があります。とはいえ、知りたい用語について分かりやすく記載されている記事を見つけるのに苦労したり、検索に時間を浪費するのは非効率ですよね。専門用語については初期段階でしっかり理解しておくことが一番ですが、簡単に知っておくだけでも安心できると思いますので、これから紹介するキーワードの意味はなんとなくでも覚えておきましょう!

「エンコード」と「デコード」とは?

動画ファイルは、パソコンやスマートフォンによって再生できる形式が異なるだけでなく、使っているOSや再生アプリによる影響も受けるため、用途や目的に合わせて動画ファイルを様々な環境に対応するファイル形式へと変換する仕組みが必要になります。

このとき、別のファイル形式へ変換することを「エンコード」、また変換したファイル形式を元に戻すことを「デコード」といいます。では「コーデック」とは何のことでしょうか?

「コーデック」とは?

まず動画の仕組みとは、パラパラ漫画のように複数の静止画を連続的に見せることで映像としての動きを表現するというものです。しかし1枚1枚の静止画を単につなげて映像にすると膨大なデータ量になってしまうため、データ量を制御するにはファイルを圧縮する必要があります。このときのファイルを圧縮(エンコード)また伸長(デコード)するシステムのことを「コーデック」といいます。

「Codec(コーデック)」とは、英語の「Compression(=圧縮)」と「Decompression(=伸長)」の略で、エンコードとデコードが双方向にできるプログラムのことを指します。

代表的な動画コーデックに「H.264」や「MPEG2」がある

ここまでの話を簡単にまとめると、ファイル形式とはデータを入れ込むコンテナ(箱)のようなもので、実際に別名「コンテナフォーマット」や「コンテナ」とも呼ばれます。また拡張子はファイル名の一部であることから、コンテナを区別するために印字される名前とも言えるでしょう。そしてコーデックは、エンコードやデコードを行うプログラムのことだとお伝えしましたが、簡単にコンテナの中身という理解でも間違いではありません。

ファイル形式 拡張子 動画コーデック 音声コーデック
MP4 .mp4 MPEG-2 / H.264 など MP3 / AC3 / ACC など
QuickTime .mov MPEG-1 / H.264 など MP3 / AAC / FLAC など
MPG .mpg MPEG-1 / MPEG-2 のみ AC3 / LPCM など

ここで藤原から一言だけ!上記の表をご覧いただけると分かるように、ファイル形式・拡張子・コーデックの名称は完全に一致しません。もっと言えば、Premiere ProやMedia Encoderで動画を書き出す際には「H.264」や「MPEG2」といったコーデックも「形式」にまとめられているので、少しややこしく感じるかもしれませんが、動画の書き出し作業はパターン化するのですぐに慣れます!

映像は動画と音声からできていることから、コーデックも動画コーデックと音声コーデックに分けられます。コーデックの種類も無数にあり、データの圧縮率また画質や音質もそれぞれでバラバラです。また技術の進歩によってどんどん新しいものが登場しますが、実際には使用するコーデックは限られています。

Premiere ProやMedia Encoderを使用して動画を書き出す方法については、こちらの記事で詳しく解説していますので、興味のある方はぜひ読んでみてくださいね。

動画ファイルの形式と拡張子を8つご紹介!

大切なのは、よく使用する動画ファイルの形式と拡張子を知っておくということ。先述の通り、形式および拡張子は紹介しきれないほどの数が存在しますが、ここで紹介する8つは、動画ファイルの再生に関わる代表的なものですので最低限覚えておくと便利だと思いますよ!

MP4形式(.mp4)

MP4(エムピーフォー)は汎用性が高く、現在最も使用されている形式として知られています。互換性の問題もなくほどんどのデバイスで再生でき、HD(ハイビジョン)画質に対応、且つYouTubeにもアップロードできる形式で、動画の書き出し時は「とりあえずMP4を選んでおけば間違いない」という使い勝手の良い形式ですね。

YouTubeにはMP4以外の形式の動画もアップロードできます。YouTubeにアップロードできるその他の形式については、こちらの記事で紹介しています。

QuickTime形式(.mov)

QuickTime(クイックタイム)はApple社が開発した動画ファイル形式で、当然ながらiPhoneやMacなどApple製品との相性が良い形式です。逆にWindowsの環境で動画を再生できないなど他社製品との互換性が低いというデメリットもありますが、動画再生ソフトによっては対応できたりもしますので、必ずしもApple製品でしか使えないというわけではありません。

AVI形式(.avi)

AVI(エーブイアイ)は、Windowsの標準動画ファイル形式です。ほとんどのコーデックで使用できたり、いろいろな環境との互換性があり汎用性の高いので、インターネット上の各種動画共有サービスにアップロードできる形式としても使用されることが多いです。ストリーミング再生には対応していませんが、昔からある知名度の高い形式です。

「ストリーミング再生」とは、インターネット上で動画を再生する際に、ダウンロードと再生を同時に行うことでスムーズな再生、また再生までの時間ロスを少なくする再生方法のことです。

Windows Media形式(.wmv)

Windows Media(ウィンドウズメディア)はMicrosoft社が開発した動画ファイル形式で、圧縮性に優れているのが特徴。各種動画共有サービスでのストリーミング再生を前提に開発され「デジタル著作権管理」と呼ばれるコピーガード機能が備わっているので、インターネット上にアップロードする動画をコンテンツとして保護したい場合などに最適で、有料サービスなどで使用されることが多い形式です。

Flash Video形式(.flv)

Flash Video(フラッシュビデオ)は、ウェブアプリケーションを開発するためのアプリケーション「Adobe Flash Player」との互換性が高い、Adobe社が開発した動画ファイル形式です。以前はAdobe Flash Playerがなければインターネット上で動画を再生できない時期があったほどでしたが、今ではブラウザに標準で同じ機能が搭載されていることもあり、Flash Video形式も現在ではほとんど使用されなくなりました

「Adobe Flash Player」は、2020年12月31日を以って、Adobe社による配布および更新が終了します。詳しくは「Adobe Flash Playerサポート終了情報ページ」をご参照ください。

Matroska形式(.mkv)

Matroska(マトリョーシカ)は、海外で主流になっている動画ファイル形式です。字幕表示のオンオフや、多重字幕、多重音声など多くの機能が備わっている特徴があります。日本でもWindows10にも標準搭載されている形式として注目を集めています。

MPG形式(.mpg)

MPG(エムピージー)は、MPEG-1形式またはMPEG-2形式とも呼ばれる動画ファイル形式です。再生時の負担が小さく汎用性が高いという特徴がありますが、画質がVHS(=家庭用ビデオ規格)程度しかないため、各種動画共有サービスのアップロード形式としても他の画質の良い形式が採用され、最近ではほとんど使用されなくなった形式です。

WebM形式(.webm)

WebM(ウェブエム)は、Googleが開発している動画ファイル形式です。インターネット閲覧時の動画再生に適しており、現在も軽量かつ良質な動画ファイルを目標に改良され続けています。現在も使用できる形式ではありますが、まだ各ブラウザに対応していないなどの課題が挙げられ、標準の形式としての認知度も低い現状です。

まとめ

映像制作に関わる形式や用語ついて紹介させていただきましたが、重要なことを簡単にまとめると、動画ファイルの形式とそれを再生するアプリケーションがお互いに認識しなければ、パソコンやスマホなどのデバイス上ではうまく再生できないということです。また無数にある拡張子すべてを覚えることは難しいので、最低限「よく目にする拡張子」や「映像制作に関わる拡張子」を知っておくといいでしょう。基礎的な用語について知っているか知らないかだけでも、映像制作の効率だけでなく質までが変わってくると思います!

いかがだったでしょうか?この記事を気に入っていただけたら、コメントやシェアをしていただけるととても励みになります!これからも動画編集が楽しくなるような情報をどんどん発信していきますので、たまにサイトをチェックしてみてくださいませ。では、またべつの記事でお会いしましょう!

提供: ゆうたろうさん 編集: 藤原ななえ
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