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撮影テクニック

動画を撮影するときの「ライティング」の基本と光の操り方のコツ!

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こんにちわ!大阪でクリエイターをしています、藤原ななえ@fujiwara_nanae)です!

この記事の内容は、フィリピンと日本を行き来しながらフリーでカメラマン及びライター活動をされている「スミレさん@sumire.nz)」にご提供いただきました!経験知識ともに豊富な現役カメラマンからの生のアドバイスですので、趣味で行う動画撮影などにも気軽に取り入れてみてくださいね。

今回ご紹介するのは、動画撮影時のライティングの基本とコツについてです。どなたにでもすぐに実践していただけるよう、できる限り丁寧にわかりやすく解説していきますので、ぜひじっくり読んでみてくださいね。この記事の目次はこちら!

はじめに

部屋の照明や太陽の光があれば動画は撮影できるので、ライティングは必要ではなく、照明はプロが使うものだと思っていませんか?確かに、ただ画像を記録に残すという意味ではライティングの知識はいりません。しかし、動画の内容を考え・編集し誰かに見せるために動画撮影をしているのなら、ライティングの知識を身につけるべきです。なぜなら、ライティングで光を操ることで表現の幅が劇的に変化するからです!今回は、ライティングの基本と簡単にライティングを取り入れられるコツを紹介していきましょう。

ライティングとは

そもそも、動画撮影におけるライティングとは何なのかを考えてみましょう。文字通りライティングはライトを使って撮影に光を足し、動画全体の明るさを調整すること。ただ、それはライティングの役割のほんの一部です。その理由は、画像は明るければ良いというわけではないからです。

実際に魅力的な動画や映画を見てみましょう。ほとんどの画像は明るいだけでなく画像のイメージを引き立てるような影がありますよね?その影の量や濃さは画像ごとに違うと思いますが、動画の撮影者がその画像のイメージを強調するために考え抜いたライティングをしているのです。画像のライティングを見比べるのに最適なのは映画のポスターやパッケージ。

  1. ほんわかとした恋愛系の映画で使われているのは、柔らかい光と柔らかい影
  2. 恐怖感をあおるようなサスペンス映画で使われているのは、暗闇に強い光とくっきりとした影
  3. アクション映画やシリアスな映画で使われているのは、強めの光と濃い目の影

あえて見せ方を変えるという手法もありますので、全てとは言えませんが、ライティングを使って光と影を自由に操り、映画のイメージをより強調して視聴者に伝えています。

POINT

実際の撮影現場ではライトの微調整に一番時間がかかるという場合も多いほどライティングは作品の重要な作業と位置づけられているんですよ!ライティングの良し悪しでプロとアマの違いが明確になっているとも言えますね。

ライティングに必要な機器

ライティングに必要な機器は非常に豊富にそろっており、撮影したいと思っている映像のイメージや主な撮影場所によって必要な機器が変わります。そのため「これとこれがあれば大丈夫!」というような単純な答えは出せないのですが、ライティングの時によく使われている機器を紹介しておきましょう。全部買わなければライティングができないというわけではないので安心してくださいね。

照明の種類

動画で使用する照明は一定の光量で安定した光を発する定常光になりますが、その定常光の中でもいくつかの種類があります。ここでは光源の種類をお伝えしますが、実際には形状もさまざまなバリエーションがありますので、自分の撮影に最適なものを価格や性能を比べながら見つけてくださいね。

白熱灯

別名「タングステンライト」と呼ばれ一般家庭でもよく使用されている電球で、値段が安いのですが寿命が短く発熱するというデメリットがあります。また、明かりの色がオレンジを帯びているものもあるので、撮影する映像の印象によっては色味がイメージと合いにくくなってしまいます。逆に、優しく雰囲気のある光がほしい場合には良いですね。

蛍光灯

こちらも室内照明でよく使用されていますが、撮影に使われるのは一般的な細長い形状のものでなく電球型が多いようです。光の色味もさまざまなので、電球を付け替えて映像の雰囲気を変える楽しみ方もあります。

しかし、蛍光灯の照明を使って動画を撮影すると画面がチカチカとしてしまうフリッカー現象が発生する場合があります。その場合はカメラのシャッタースピードを調整しなくてはいけません。フリッカー現象が心配な方は蛍光灯以外の照明を使いましょう。

蛍光灯(またはブラウン管)は肉眼では確認できない速度で点滅しているため、撮影した動画をディスプレイで確認すると高確率でフリッカー(ちらつき)が生じてしまいます。

LED

現在最も撮影時に使われている照明がLEDです。電気代が安い・発熱しない・寿命が長い・色味調整がしやすいなどの使い勝手の良さがに人気の秘密ですね。しかし、値段が下がってきているとは言え、白熱灯・蛍光灯と比べてしますと価格は高めになります。その分長く使えるので、費用対効果を考えてみましょう。

照明以外の道具

照明は一度に何種類もそろえる必要はありません。すこしずつ試してみましょうね。照明以外にも用意しておいた方が良い道具を紹介します。

ライトスタンド

照明購入時にセットであれば不要ですが、付属品がない場合は必需品になります。被写体を上から照らす場合もあるので細かな調整ができ、しっかりと安定しているものを選びましょう。

ソフトボックス・アンブレラ

スポットライトのように照明をそのまま被写体に当ててしまうと、光と影が強すぎる映像になりがちです。そんな時のために、ソフトボックスまたはアンブレラがあります。両方とも照明に取り付けて照明の光を柔らかくするもので、好みによって使い分けてほしいのですが、どちらかと言えばアンブレラの方がより柔らかい光になる印象です。

POINT

くっきりとした影をつくりたいのであれば両方とも使わずに光源のみで撮影しても良いですが、一般的には人物を撮影する時には何らかの方法で光の強さをコントロールした方が肌が美しく仕上がると言われています。

レフ板

レフ板とは、照明や太陽の光を反射させるものです。折りたたみができてコンパクトになりますし、値段も手頃なものが多いです。また、自宅にある大きな白い布や紙で代用することも可能です。

ライティングの方法

それでは、いよいよライティングの方法についてお伝えしていきましょう!多くの方がライティングを嫌煙してしまう部分なのですが、可能であればライティングのライトは複数あった方が良いです。なぜそんな必要があるかと言えば、動画で重要なのは「奥行き」の表現だからです。

そもそも視聴者側から見れば二次元である動画を、少しでも立体的に見せるようにする工夫として複数のライトを使用したライティングが非常に効果的なのです。

POINT

複数のライトを使うと聞くと、急に難易度が上がったように感じますよね?でも大丈夫!基本のパターンはそんなに複雑ではありませんし、基本だけでも十分プロのような仕上がりになりますよ!

三点照明(スリーポイントライティング)

まずは基本となる「三点照明」について説明しましょう。三点照明ではキーライト・フィルライト・バックライトの3つの照明を効果的に使い分けます。それぞれのライトの意味と役割を説明しましょう。

キーライト

被写体を照らすメインの光源です。一般的には大きな光源を使用し、大体は被写体の斜め45度上方から光を当てます。右か左かは特別な理由がなければ被写体が好む方向(メインで撮影される方向)にすると良いでしょう。また、不気味な雰囲気を演出するために、あえて被写体の下の方にキーライトを配置する方法もあります。

バックライト(リムライト)

被写体の後方に設置しますが、明確なルールはありません。角度や位置は自由に決めてください。キーライトで被写体を照らし、バックライトを使うことで被写体の輪郭が強調されて被写体と背景の区切りを分かりやすくします。つまり、奥行きが感じられやすい画像になるということですね。

フィルライト

フィルライトはメインライトでできた影をフォローするライトです。メインライトで被写体の顔にできる影をもっと薄くしたいと考えるなら、フィルライトでカメラを挟んでキーライトの反対側に設置します。つまり、キーライトがカメラの右側にあるなら左側、左側にあるなら右側に置いて被写体を照らします。

POINT

影をほどほどに残した映像に仕上げたいのであれば、フィルライトは照明でなくレフ板を利用してキーライトを反射させるだけで良い場合もあります。好みの影に仕上がるように調整すると良いですね。

レンブランドライティング

レンブランドライティングは伝統的なライティング方法で、多くの海外の映画で使用されています。オランダの画家「レンブラント・ファン・レイン」の画風の影響を受けた影を強調させたライティングで、キーライトの逆側の頬に三角形のハイライトが入るのが特徴。

レンブランドライティングはキーライトとレフ板のみで撮影ができ、多くの機材を必要としないメリットもありますね。撮影方法としては、3点照明のバックライトを抜いた方法で考えてもらえれば大丈夫です。

スプリットライティング

スプリットライティングは被写体の顔の真横からライトを当てて二分割するようにくっきりと顔の半分が影になるようなライティングです。アンニュイな雰囲気をつくるのには良いですが、動画で使うのであれば内容をよく考えた方が良さそうですね。

「アンニュイ(=ennui)」はフランス語で、直訳すると「けだるい」という意味になりますが、日本語の横文字としては「神秘的」や「ミステリアス」というニュアンスを含みます。

ネガティブフィル

最後にお伝えするのは照明ではありません。ネガティブフィルは不要なフィルライトを無効にするテクニックです。先述の通り、フィルライトはレフ板で代用することもでき影を薄くするために利用するのに対し、黒いパネルや布を使って光の反射を抑える(=光を吸収する)ネガティブフィルは、影をより強調させコントラストを強めるために利用します。

POINT

基本的に「白いもの」は光を反射するので意図的でなくてもレフ板の役割をしてしまいます。例えば、被写体の横に白い壁があるだけでもレフ板がある状態と似たに環境になってしまうので、影を強調したい場面ではネガティブフィル(黒いパネルなど)を利用します。

キャッチライト

キャッチライトとは被写体の瞳の中にある白い輝きを言います。漫画などではその光が強調されていますね。キャッチライトがあると人の表情を生き生きとさせることができますが、必ずキャッチライトがある方が良いというわけではありません。

クールな雰囲気を表現したい時など、キャッチライトがない方が良い場合もありますので、イメージに合わせて使い分けてください。キャッチライトは光源の位置や種類で変わりますので、キャッチライトも想定したライティングをできると良いですね!

屋外でのライティング

ここまで主に室内でのライティングについて説明させていただきましたが、屋外で動画撮影を行う場合の主な光源は太陽光です。その理由は、太陽光ほど強い光源はないからです。屋外で撮影をするのであれば太陽光をキーライトとして考え、その他のライトを補助的に使うと良いでしょう。そのため屋外で動画を撮影するには天候に大きく左右されてしまいます。室内よりもタイミングを考えなくてはいけませんね。

POINT

ライティング機器を持って屋外で撮影をするのは大掛かりになると思うので、気軽に撮影したいのならレフ板だけでも用意し、太陽光を反射させ被写体にできた影のコントロールだけでも行うと良いですよ!

レフ板を使用した屋外撮影

レフ板を使用して太陽光を操る場合、被写体を太陽光とレフ板で挟むように撮影をしましょう。それだけで太陽の光をレフ板が反射させ、被写体を明るく照らしてくれます。顔の明るさが大きく変わりますので、ぜひ試してみてくださいね!

ライティングのコツ

ここまでライティングに必要な道具やライティングの種類を伝えしてきましたが、これからライティングスキルを身につけるにあたり覚えておいた方が良いこととちょっとしたコツがありますので、ぜひ参考にしてください。

ライティングは撮影場所が違うと変わる

ライティングは外的要因による影響を非常に受けやすいものです。屋外と屋内のライティングが異なることはもちろん、撮影スタジオであってもレイアウトによって光の反射や影の雰囲気はガラリと変わります。

さらに同じ部屋で撮影したとしても、窓から入る光の量が変われば部屋の明るさも変わりますし、時間によって日の傾きも違います。自分の理想通りのライティングを見つけられたとしても、別の場所ではそれが最適とは言えないということです。

屋内撮影の窓際は比較的撮影しやすいスペースです。レースカーテンや白い布を利用して光量を調整することで、太陽光を有効活用することができます。

ライティング上達の近道は真似をすること

ライティングは、光を足したり引いたりして自分の理想の動画のライティングに仕上げていくものです。しかし、ライティングをはじめたばかりのころは、そもそも自分の撮りたい画像に、どのようなライティングが適しているかが分かりませんよね。

とにかくさまざまなライティングを何度も撮影で試してみるというのも良いのですが、用意が必要なライティング機器のことを考えると、なかなか難しいのではないでしょうか?そんな時にお勧めできるのが、気に入った動画の真似をすること。

POINT

先ほども説明したように、ライティングは撮影場所の環境はもちろん使用している機器によって左右されるものなので、全く同じ環境は用意できませんが、似たような雰囲気は作れるはずです。

「この動画のライティングを真似しよう!」と全体像を見てしまうと「何をどうすれば真似できるの?」と感じてしまいますので、動画の中にあるライトに当たっていると思われる部分と影を一つずつ推測し、潰していくうちに自ずと答えが見えてきます。

POINT

影の強さは?影の向きは?光の当たっている場所は?光の強さは?丁寧に推測していけば、よほど珍しいライティングをしていない限りは答えが見えてくるはず!参考にする動画は、自分が撮影したいと思っている動画と同じジャンルだと良いでしょう。

まとめ

ライティングを理解し、自分の思い通りに操れるようになれば動画の質だけでなくオリジナリティも高めることができるということですね。光を操るというと非現実的な響きを感じるかもしれませんが、動画の世界ではそれが可能です。撮影する対象をどう見せたいのか?見る人になにを感じてほしいのか?をよく考えて試行錯誤してみましょう。

いかがだったでしょうか?この記事を気に入っていただけたら、コメントやシェアをしていただけるととても励みになります!これからも動画編集が楽しくなるような情報をどんどん発信していきますので、たまにサイトをチェックしてみてくださいませ。では、またべつの記事でお会いしましょう!

提供: スミレさん 編集: 藤原ななえ

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